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えほんの森「The Snowman ゆきだるま」
2023.02.03
コラム

おじゃみキッズ えほんの森では
せんべい®でねんねしていた「赤ちゃん」が
自分の足で歩き始める「こども」時代の
素敵な絵本をご紹介していきます。

第8回目は
「The Snowman」 邦題「ゆきだるま」 レイモンド・ブリッグズ さく 評論社

文字のない絵本です。
「snowman」のキャラクターとして
ぬいぐるみや、いろいろなグッズも販売されていて
映画にもなった絵本です。

この冬は大変な寒波で
京都でも、大雪の日がありました。
洛中高岡屋のある五条通り界隈も
白い雪で覆われました。

ただ、その雪は長く振り続けることはなく
道路の雪も次第に溶け

停められたままの車のボンネットや
マンションの植え込みの樹々の上や
建物の陰になった細い路地を除いては

あんなに辺りが真っ白になったことなど夢のように
いつもの景色が戻りました。

雪雲が去り、お日様が顔を出した頃
少しあたりを歩いてみると

いろいろな場所に
大小さまざまな「ゆきだるま」が
つくられていました。

木の枝を手に、目や口も工夫してつけられたもの
おおきなもの、ちいさなもの

バス停のベンチの上に
自転車置き場や、通路の端に

一体誰がつくったのか
こどもかな?
おとなかな?

ふわふわの
綺麗な積もりたての雪でつくったゆきだるま

きっと誰しも一度は
そんなゆきだるまをつくってみたくて

雪が降り、積もると一目散に外に飛び出し
雪を丸め始めたことがあるのではないでしょうか

おぼえていますか?
初めてゆきだるまをつくった時のこと

手が冷たくて
手袋なんてすぐ濡れてしまって
でも楽しくて
目を輝かせながらのひと仕事

大きいものと、小さいものを重ねて
なんとなくの手や目や口をつけて

そこに
ゆきだるまは現れます

この絵本の中でも
少年は雪の日に
ゆきだるまづくりをします

少年がつくったのは
自分の背丈よりも大きなゆきだるまでした

少年のつくったゆきだるまには
不思議な命が宿り
“2人”は素敵な時間を過ごします

おうちの中でいろいろ遊んで
少年はその“お客様”に
おもてなしをします

そしてゆきだるまは
少年を素敵な場所に連れて行ってくれます

とびきりの時間を過ごし
少年は自分の部屋に戻り

またあしたね
と、言ったのか、言わなかったのか

ただそれは
お別れの挨拶になってしまうのです

ここまでくると
大人は大泣きです。

私はこの本を初めて読んだ時(みた時?)
子供を押しのけて大泣きしそうになったことを
おぼえています

ちいさな子の受け止め方はさまざまで
すんなり「あ、溶けちゃったんだ」という子や
「またつくればいいや」と前向きな子や
涙を浮かべその場から逃げ出す子や

でも口ではクールなこと言いながらも
いつまでも「あのゆきだるまはどうなったの?」と
気にする子もいたりします。

「お別れ」の意味を知る大人には悲しく、せつなく
その意味をまだ知らない無垢なこころには
でも、なにか少し不安で、ざわざとした
そんな心の機微に触れることのできる絵本。

暖かなお部屋で
ゆったりとした気持ちで
くつろぎながら手にしてほしい絵本です

大人も、こどもも

冬の日に
そんな時間を過ごしてみてください。

おじゃみキッズのプロモーションビデオは
こちらからご覧になってください。

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