column
コラム
おじゃみキッズ えほんの森では
せんべい®でねんねしていた「赤ちゃん」が
自分の足で歩き始める「こども」時代の
素敵な絵本をご紹介していきます。
第4回目は
「ねたふり ゆうちゃん」 阿部 結(あべ ゆい) さく
春になって
あたりがぽかぽか
ここかしこに陽だまりができると
大人でも うとうと いねむりしたくなります
いねむりは、いねむりでも
「ねたふり」したことって
誰にでも経験ありますよね
さて、どんなときに
「ねたふり」をするのでしょうか
お話に加わるのが面倒なとき
用事を言いつけられるのが邪魔くさいとき
おとなの「ねたふり」は
“狸寝入り”なんて名前があって
辞書には
「都合の悪い時などに 眠っているふりをすること」とあります
今回ご紹介するえほんは
「ねたふり ゆうちゃん」
ゆうちゃんは、ねたふりするのが大好きなんです
それはそれは
お家のいろんな場所で
器用に、上手に
ねたふりをするのです
みなさんは
初めてねたふりをした時のことって
覚えていますか?
おとなになってからではなくて
こどもの頃の思い出の中で
それは 幸せな記憶でしたか
今の時代
辛い状況に置かれている小さな子が
ねたふりをしなくてはいけない、なんて
そんな悲しいこともあるのかもしれませんが
このおはなしのなかの ゆうちゃんは
やさしいおかあさんの愛情に包まれて
とても豊かで
しあわせな時間の中で
安心して ねたふりをしています
寝場所でないところで
寝入ってしまった ゆうちゃんを
(ほんとうは、ねたふりなんですが)
やさしく抱きあげて
おかあさんは ゆうちゃんを
おふとんに いれてくれるのです
ゆうちゃんは
それがとても うれしくて
きもちよくて
いっぱい ねたふりをするのです
世の中のこどもたちに
みんなそんなふうに
安心して眠りについてもらいたい
寛ぎをあたえるものづくりを続ける
洛中髙岡屋 の
ひとつの願いでもあります
安心して
きもちよくてうれしい
そんな寛ぎの時間
ゆうちゃんの可愛い寝顔をみながら
ものづくりへのおもい
あらためて心にきざみました
こどもたちの育ちゆく未来が
平和で安心で
幸せに寛げる世の中でありますように
そう深く願わずにはいられません
すべては みんなの笑顔のために
こどもたちのしあわせを願いながら
今日もまた
こまやかな手仕事で
ものづくりをしていきます
「ねたふり ゆうちゃん」白泉社
作 阿部 結
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